チーズにビール 次のディナーにはワインではなくビールを・・・ ワインと比較したときのビールにまつわる誤解と言えば、ビールは労働者階級のもの、ワインはエリート階級のもの、ということです。 ワインには主に、赤、白、ロゼ、スパークリングワイン、フォーティファイド・ワイン(いわゆるデザートワイン)の5つの種類があります。原材料であるブドウの種類は数百あり、様々なワインを作り出しています。醸造酒は、糖をアルコールに変える酵母が大きく影響しています。もちろん、ビールの重要要素もこの酵母です。ビールの種類は3つ、エール、ラガー、そして(蓋のない容器で空気中の天然酵母を使用して作られる)ワイルドビアです。しかし、バリエーションは数千、または生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答えの42*あります(*この数字についてはダグラス・アダムズのSF作品『銀河ヒッチハイク・ガイド』を検索してください)。 まずは、ビール愛好家のように次回のディナーパーティをひと味違うものにしたければ、我々が書いた様々なビールの飲み方、ペアリングの記事を読んで、ビールの基本を叩きこんでください。そんな時間はないと言う人は、とりあえず、チーズから始めてみましょう。 チーズとワインはベストマッチだが、誰もが知っている何の変哲もないアリングです。ビールの利点は、マッチするチーズとのペアリングだけでなく、醸造所やオーナーのバックグラウンドがあります(みんなが好きな負け犬話はクラフトビールの醸造所にはぴったりの話です)。ここでは6種類のチーズを紹介します。6種類に限定した理由は、日本人のチーズの消費量は年間でたった2.0kg、特にプロセスチーズを好んで食べる、ということにあります。プロセスチーズ好きであれば、高品質なチーズを販売しているお店は限られていて、お店で見つけたとしても非常に高価です。そのため、ここでは、東京のスーパーやデパート、チーズ専門店で簡単に見つけることができる6種類のチーズについて、ベスト・ペアリングのビールと併せて紹介します。 フレッシュチーズ 水分量を多く含んだ、まったく熟成させていないタイプのチーズ。そのため、賞味期限は短い。味はマイルドで酸味があるが、生産地域により柑橘系またはわずかにハーブの風味の甘さがある。日本で一番見つけやすいフレッシュチーズは、フェタチーズ、カッテージチーズ、リコッタチーズ、クリームチーズ。 一番合うビール ジャーマンウィート、ヴィット、ヴァイスビール ピルスナー フルーツビール ブロンドエール 柔らかく熟成させたチーズ フレッシュチーズよりも見つけやすい。一番有名なものはカマンベールチーズで、ファミリーマートやセブンイレブンにも置いてある。ブリ―チーズもどこにでも売っている。他のタイプのチーズとの見分け方は、チーズの表面が白く固くなっていること。この固い部分は味が無い。チーズの味は、マッシュルームやバター、干し草のような風味がある。 一番合うビール セゾン(セゾンIPAは強すぎるので、セゾンIPA以外) サワーエール(輸入ビールが良い) ベルギー・ゴールデンエール ブロンドエール セミソフトタイプ・チーズ 表面はあまり固くないが、熟成させればさせるほど水分が抜けて、固くなる。くせは無いが、ナッツやハーブの風味をつけたものがある。このタイプに属するチーズは、モントレージャックチーズやスイスチーズである。オーケー・スーパーや海外商品を販売している激安スーパー以外であれば、どのスーパーでも販売している。 一番合うビール ペールエール(ハーブの風味があるブリティッシュ・ペールエールが合う) ホッピーセゾンまたはピルスナー セミハードタイプ・チーズ このタイプのチーズは東京のどこでも簡単に見つけられる。日本人が好きなのはゴーダチーズ。他にも、チェダーチーズ、エダムチーズ、スイスチーズがある。風味は鼻にツンとくる強い刺激の風味から燻製のような風味まで幅が広いので、ホップが少し豊富なビールが最適。固いチーズだが、粉々に砕けることはない。イーオンやイトーヨーカドーなど大手スーパーマーケット・チェーン店で見つけられる。 一番合うビール ペールエール アンバーラガー ストロング・ゴールデン ハードタイプ・チーズ チェダーチーズやゴーダチーズなどの水分量が少ないチーズのなかでも、少なくとも1年は熟成させてあり、賞味期限が長いもの。表面はザラザラしており、砕けやすく、カラメルまたはナッツの風味がある。成城石井であれば必ず見つけられる。成城石井のなかには、IPAの種類が豊富な店舗もあるので、チーズもビールも両方とも一度に揃う。 一番合うビール IPA ダブルIPAまたはインペリアルIPA バーレーワイン インペリアル・スタウト 青カビチーズ(風味が強烈) このタイプのチーズはディナーのゲストの印象に残るほど非常に高価。このチーズに合うビールも高価なので、非常に見つけるのも難しい。塩気が強く、鼻にツンときたり、辛味があったり、ハーブの風味がしたりするものから、金属のような風味さえするものもある。また、とても滑らかなものから、濃いものまである。ゴルゴンゾーラは非常に見つけやすい。運が良ければ地元のスーパーでカンボゾーラ、スティルトン、ロックフォールに出会えるだろう。これらのチーズを手に入れるには、Queen’s Isetanや紀ノ国屋に行ってみるとよい。 一番合うビール ベルギー・トリペル ストロング・ベルギー ダブルIPA、インペリアルIPA バーレーワイン インペリアル・スタウト さぁ、ビールとのペアリングの第一歩を踏み出しましょう。きっと、あなたのディナーが今までとは違うものになるでしょう。それにチーズの良い点は、簡単にお皿に乗せて直ぐにテーブルに出すことができます。下ごしらえの時間は必要ありません。素晴らしいディナーにするためのカギは、プレゼンの仕方と知識です。